「ゴディバ買ってきて!」聞き間違えて買ったチョコは「ゴリラ」 返品は可能か?
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バレンタインデーが近づく中、「ゴディバ」を「ゴリラ」と聞き間違えて、ゴリラ型のチョコレートを買ってきてしまったことを報告するツイートが話題となった。

投稿者は買い物中、姉から電話で、チョコを買ってくるようお願いされた。その際、姉は有名チョコメーカー「GODIVA(ゴディバ)」と伝えたが、投稿者は「ゴリラ」と聞き間違えてしまった。投稿者は、なぜゴリラなのか不思議に思いながら、どうにかゴリラの形のチョコレートを探しあてたが、家に持ち帰ると、姉に怒られてしまった。

ゴリラのチョコの画像とともに事の顛末を説明したツイートは、6万回以上リツイートされた。「ゴリラのチョコよく売ってたなw」「どこで手にいれたんだ」など、驚きの声が多く寄せられた。

もしも、怒った姉が「これはゴディバじゃないから、店に返してきて!」と言った場合、ゴリラチョコを買ってしまった投稿者は、「聞き間違い」を理由に返品することができるだろうか。西口竜司弁護士に聞いた。

●ゴリラのチョコを買ってしまったことは「錯誤」にあたるのか
「笑ってしまったら失礼ですが、そんな間違いもあるんですね。探してきた投稿者も凄いと思います。こういう問題を、法律的に分析すればどうなるのか考えてみたいと思います」

西口弁護士はこのように述べる。

「今回のケースで、聞き間違えて購入した『ゴリラ』のチョコを返品したい場合、『錯誤』によりチョコの売買契約は無効だと主張することが考えられるでしょう。

『錯誤』というのは、法律的に説明しますと、内心の意思と外部の表示が一致しておらず、そのことを表意者が知らないことを意味します。平たく言えば、勘違いのことです。

たとえば、ゴリラのチョコとゴディバのチョコが並んで売られていたとします(ありえないかもしれませんが)。

そうしたシチュエーションで、内心ではゴディバのチョコを買おうと考えているのに、勘違いしてゴリラのチョコを購入してしまったとしましょう。

この場合、内心の意思は『ゴディバ』のチョコを買うつもりですが、外部の表示は『ゴリラ』のチョコを買うというものなので、食い違いがあり、意思表示は無効となります。

一方で、今回の事案では、投稿者は『ゴリラ』のチョコを買うつもりで、『ゴリラ』のチョコを買うと店員に表示しており、内心と表示に不一致はありません。

そのため、『錯誤』にはあたらないでしょう」

他の方法はないのだろうか。

「こういう場合に根拠となるような民法の条文はなく、取り消すのは難しいでしょうね。仕方ないとしか言いようがないですね」

もうすぐバレンタインデーです。

「チョコレート会社の戦略だと言われるかもしれませんが、こういう日もあっていいですよね。高校生のとき、通学の電車の中で、誰かからもらえるのではないか勝手に期待してドキドキして、何ももらえなかったことを思い出します(笑)」

弁護士ドットコムニュース